ウッドデッキ改造

ロングポストの長身化

ことの発端

外から見えないようにしたい

写真は改造前のウッドデッキの外観です。これは斜めから見たものなのですが、正面から見たとしても、フェンス越しにリビングの窓が見えるのがおわかりいただけるでしょうか?しかも、ふきゅの家はT字型交差点のどん詰まりに位置しているため、車に乗った人が「脇見をしなくても」庭やリビングの窓が見えるようになっているのです。

見てのとおり、フェンスにはラティスがはめ込んであるわけですが、その大きさは高さが900mmの幅が約1080mmと横方向が変則的な長さのものになってます。これはウッドデッキの大きさを先に決めて、ロングポスト(ウッドデッキを支えている柱のうち、床面より高いもの)の配置からそう決まったものだからです。もちろん、そのような大きさのラティスが売られているわけではなく、自分でこの幅になるよう、900×1800mmのものを切り詰めたのです。

このラティスの格子の間がまたスカスカなので、フェンスを通してでも中の様子が窺い知れるようになっています。庭はがんばってキレイにするとしても、家の中まで見えるかもしれないと思うのは、育児をしていく上でストレスになるとの奥さんの要望があって、では、外から見えないくらいにウッドデッキのフェンスを高くしましょう。そして、穴だらけのラティスに代わるフェンスを作りましょう。ということになったわけです。

ラティスに代わるフェンス

外から見えないように、とは言ってもやはり光や風は通したいものです。そのようなものとしていわゆる「ルーバーラティス」というものが存在します。これはちょうどブラインドを半開にしたときのような状態を木の板で実現しているもので、今回の用途にはある意味理想なのですが、いかんせん既製品だと幅が合いません。かといって自作するのは大変そうです。

結局、1×4の板を裏表で互い違いに貼りつけた板塀でその役目を果たすことにしました(図参照)。これだとルーバーラティス同様に視線を遮りつつ、光や風はある程度取り入れることができると期待できます。ただ、板の間隔はどれくらいが適当なのかは想像がつきませんでしたから、えいやっと2×4の厚みのおよそ39mmとしました。

木材の調達と塗装

そうなると、次に木材の調達そして塗装という一連の流れが待ち受けてます。

今回は長さがおよそ1080mmの1×4の板が多く必要になってきますが、よく売られている6feetの長さだとおよそ1800mmですから、あまりに無駄が多くなってしまいます。そこで、8feet(約2400mm)のものを購入しました。この長さのものはあまり売ってる店(ホームセンター)が無いので、ちょっと遠くまで行き、その分、調達の手間がかかりました。最終的には40本ほど必要かと思いますが、この日には28本だけ購入しています。

塗装はいつもどおりですから割愛します。

ロングポストの長身化

柱を継ぎ足す

「柱を継ぎ足す」ことがそんなに簡単なこととは思っていませんでしたが、ノミとかなづちを使った切り欠きをすることはできれば避けたかったです。難しい切り欠きをする代わりにコーススレッド(木ねじ)をインパクトドライバを使って打ち込むことができればそれに越したことはないと思っていました。

結論的には、写真のような構造で柱を継ぎ足すことにしたのですが、この特徴は柱の側面からコーススレッドを打ち込むことによって上下の柱を固定できることです。ただ、切り欠きの精度はそれなりに必要で、のこぎりだけでは足りずちょっとノミを使いました。

笠木の撤去

話は前後しますが、まず、ロングポストの上面に取り付けてあった笠木を取り外し、既存の柱を先にすべて切り欠いてます。


手ノコを使うこともあるだろうと用意していたのですが、結局丸ノコだけで済ませてしまいました。ただ、この体勢で丸ノコを使うと、木屑を全身に浴びてしまうわけで、そういう意味でつらい作業となりましたが...。

この後、新規に用意した継ぎ足すための柱にも切り欠きを施してどんどん乗せていくわけですが、自分の加工精度に自信が無かったため、端材でまず練習し、微調整を行いながら本番用の木材を使い、なんとかきちんと合うように加工が出来たと思います。

金具で補強

切り欠きとコーススレッドだけでも何とかなりそうだったのですが、より強度を高めるために金具を導入しました。

いわゆるシンプソン金具というやつで、2×4の木材売り場のそばにいろいろ置いてあることが多いです。使ったのは多分これ

これを使うと、「何とかなりそう」どころではなく、「問題なし」のレベルまで引き上げることができるのです。金具を打ち付けた後に柱の上部を持って揺さぶってみたのですが、びくともしませんでした。これには驚きました。一部に「金具=邪道」と決め付ける人たちがいる中、根強い人気があるのもうなずけます。

写真では少ししか木ねじを打ち込んでませんが、最終的にはさらに何本か打ち込んでます。(全部の穴を埋めるようにはしてません)

ラティスパネルのリサイズ

既設のラティスパネルを使いまわす

すでにお話したように、既設のフェンスは既製品である900×1800mmのラティスパネルを切り詰めたものでした。

今回、このラティスはフェンスの上部に移動させることにしましたが、この大きさのまま使いまわすには大きすぎるので、さらに切り詰めることにしました。前回は横方向に切り詰めたのですが、今回は縦方向です。

枠を部分的に取り外す

このあたりのテクニックは既製品のラティスパネルに共通のものかと思います。ラティスを取り囲む四方の枠はねじ止めされてますので、ドライバでとりはずします。ラティスと枠とは釘で結合されてることもあると思います。丁寧に取り外すか、あるいは、(どうせ切り詰めていらなくなるのだから)ラティス側の板を割ってしまうという方法もあるかと思います。(わたしはもちろん後者の方法)


今回は縦方向だけを切り詰めるので、枠は一箇所とりはずすだけでOKです。

写真をよく見るとわかるかもしれませんが、枠は縦方向と横方向で凸凹の切り欠きを用いて結合されてます。だから、今回の方向に切り詰めるときには、新たにできる断面を切り欠く必要があります。逆にこれと直交する方向の場合はその必要はないのですが…。


ラティスのカット

もう、丸ノコさまさまです。適当に墨線を入れたら丸ノコでがんがん切っていきます。タッカで止めてある部分もそのままカットできます。しかも、このときできる切断面は隠れるところなので、そんなにキレイでなくてもいいので余計な心配もせずにすみます。

今回は「何となく」で、端から400mmのところをカットしましたが、実際にはこの長さプラス枠の幅マイナス切り欠きの深さがパネルの大きさになるので、先に詳細な大きさを決めてしまう人は注意しましょう。

切り欠き

ものすごい現物合わせで枠に切り欠きを作ってます。

今回カットしていらなくなった部分にある切り欠きをそっくり真似して作ることにしましたので。

作業はほぼ手ノコだけで、ノミを使わずに済ませられたのはよかったですね。


この後、できた切断面に防腐剤を塗布し、残しておいた枠を元通りに取り付けて完成です。

フェンスの取り付け

治具を取り付ける

フェンスは裏表で互い違いに板を貼るものにしましたが、裏と表の板の間のスペーサーであり、また、その板を取り付けるための治具である木材を柱に取り付けました。

断面の大きさはいわゆる2×2とほぼ同じで39×39mmですが、これは2×4を縦に2等分したものにしてあります。2×4なら安く簡単に手に入るからという理由です。

柱の切り欠きと同様に、丸ノコに付属のガイドを使って同じ幅にしたのですが、これも体勢的にどうしても木屑を全身に浴びる格好になってしまってつらかったです。技術的には何も問題がないんですけどね。

板を貼り付ける

なんと、目分量で板の間隔をあけて取り付けました。しかも水平もほぼ目分量です。われながらすごいです。(笑)

塗装むらが気になりますが、実際にはこの後に2度塗りをするから問題ないです。木材の調達と同時に塗装をするのですが、そのとき、置き場所が狭くて横の板とくっついてたりしてたんですね。

前後の板の色が自然に濃淡ついて見えてけっこういい感じです。

真ん中を先に作ってますが、そうすると、次に左右の部分を作るときに「横へならえ」ができますからね。先にどちらかの端を作って、横へならえ、横へならえにすると誤差が大きくなりそうだから。

完成

完成…とは言っても、この日予定していた部分が完成しただけで、ウッドデッキの側面部分の施工がまだです。

時間的に次週送りを最初から決めていたので、予定通りというと予定通りです。作業終了が日没になってしまいましたので、あまりいい写真はないのですが、まずまずの出来かと思います。正面道路側からの視線の遮断もうまくいきそうな感じです。

さぁ。側面の施工も終わったとき、完成記念パーティーは是非ウッドデッキで、ですね。